『Simultaneity #1』野村康生
       
     
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『Simultaneity #1』野村康生
       
     
『Simultaneity #1』野村康生

No.9 2018/11/23 @Forestlimit

「野村康生ニューヨークへ行く!の会」オークションにて購入。

2012/353x353mm/marker and urethane on paper mounted on MDF panel

2012年の個展「Social Eclipse」は私の作家活動の起点ともいえるとても大きな機会で、コンセプトや表現手法、その後の展開までを現代美術家としてどう確立していくのか、明確に視野に入れて挑んだコンセプチャルな展覧会でした。
この開催時期もピンポイントで、2012年5月21日の金環日食に合わせて設定されました。太陽と月と地球、それぞれに象徴的な意味合いを持ち、昼と夜、陰と陽、男性と女性、といった相反するエレメントとその間(あわい)に立つ真理。
さらに天動説と地動説という歴史上の概念の転換点をそこに重ね、西洋の一神教的視点(主観)と東洋のアニミズム的多視点(客観)という二つのビジョンと一つの画面に同時に描くことを試みています。
“Simultaneity”とは”同時性”という意味ですが、この三つの象徴が一点で重なるその瞬間をコンセプトの根幹に置いたものでした。
その後の[ecosphere]や[Fibonacci Mandala]シリーズに繋がる初期のコンセプトモデルですね。
ただ、技法もまだ確立しておらず、特殊ペーパーをMDFパネルに貼り付けて、その上に描画してウレタン塗装しているのですが、磨きムラや膨れがあるなど、試行錯誤の段階がそのまま残っています。
それも一つの野村史として感じられる一品ですね。

当時のステイトメントはこちらにhttp://yasuonomura.com/news120518.html

Gelatin Contemporary(新宿眼科画廊)のアーカイブからも当時の展示風景がご覧いただけます
http://www.gel-con.jp/artist_nomurayasuo.html

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