この歳になると毎年驚くような変化や事件が起こるわけではないので早いだろうなと予想はしていたけど、2025年も想像以上のスピードで終わった。これを一種の成熟と見るか停滞もしくは衰退と見るかは解釈次第だ。振り返ってみれば早いなりにトピックはある。
何はともあれ、2025年はアントラーズが苦節9年ぶりにJ1のタイトルを奪還しただけでもいい年だったと言っていい。各誌の優勝記念特集号の表紙を見るたびに、嬉しさよりもやっぱりシャーレは鹿島が一番似合うなというしみじみとした思いが先に立つ。
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仕事では、2年以上の時間をかけて仕込んできた万博のプロジェクトがいよいよ開幕を迎え、暑さと混雑の中あっという間に閉幕したことを今ではもう懐かしくすら思う。仕事のご縁がまったくなかったとしたら、もしかしたら万博は東京から冷笑的に眺めるだけになっていたかも知れないと思うと、個人的な関わりや貢献は決して多くはなかったけど、こういう機会の一部に携われて体験できたことは書き残しておくに値するありがたい出来事だった。
今年はディレクターとしてリードしたプロジェクトはなかったけど、その分ひとりのメンバーとして求められる期待に正面から応えることに改めて向き合ったことで、地面を踏み固めて一回りずつ足場を広げていくように、それぞれに新しい幅や自己効力感を得られた感覚はある。年齢的にも経験的にも、良くも悪くも「こなす」ことはできるようになってしまった分、派手なことはなくとも毎回ちいさなチャレンジと自信を積み上げ続けていけるかどうか。その重要性はむしろ年々増してきていると痛感する。
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提唱している「Draft Design & Project Design」は、noteでの発信はいったん一段落となっているけど、今年はPARTYさんの「TECH PM NIGHT」、明星大学での講義や、お手伝いしているEat, Play, Sleep inc.のメンバーへの研修として対外的に伝える機会をいただけた。ひとりの頭の中で考えて綴るのとは違い、目の前の人たちに向けて、決まった時間の中で何をどういう順番で伝えるかを考えることはまた新しい気付きの予感があった。そのうち出版につなげたい思いは相変わらずあるので、これは2026年も引き続き磨いて厚くしていきたい。
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SandSの活動は、初個展「ハルシネーションイニシエーションインビテーション」を開催したのが唯一にして最大のトピック。やると決めてやってみればそれなりに形にはできるのだなという手応えを得られたのは大きな価値だった。展示でもちょうど一年前に着想を得たSF作品のアイデアをティザー的に作品化したけど、2025年はこのアイデアをじっくり温めてきた一年でもあったので、2026年中にはまずはひとつ形にして世に出したい。
とは言え、2025年のトピックがこの個展ひとつになってしまったことは大きな反省でもある。この一年は、前年に仕込んだサイトやツール、フレームワークを使って活動をドライブさせることを目指したけど、それが残念ながらうまく結実しなかった。手弁当の好きでやっている活動ではあるけど、チームを維持するだけでも無視できない程度にはお金はかかるわけで、一年を生き延びることの厳しさも改めて感じた。そういうイメージを持たれていないかもしれないけど、常時お仕事も募集しています。手前味噌ながら結構有能なメンバーが揃ってると思うので、相談に迷うことがあればとりあえずご連絡ください。
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去年の年始に「2025年は準備で終わらずにせめて助走くらいにはなるといい」と書いたけど、まあその通り助走的な一年にはなったと思う。そう思うくらいには、2026年は変化が待ち受けている予感がする。
今年で40歳という節目を迎えることが関係しているかどうかは分からないけど、政治も経済も含めて世の中の潮目やモードも変わり始めた気がするように、騙し騙し誤魔化してきたものがもうこれ以上は続かないところまできたような、そんな空気を強く感じる。もっとも、ここ数年はそんな変化に対する準備はしてきたつもりではある。
願わくばその助走の先にあるジャンプがいい変化であるといい。