2015 / by Yuki Takai

shutterstock_125010590.jpg

あまり新年の抱負や目標を立てた覚えがない。

初詣に行っても、だいたい健康に過ごせることと、仕事とプライベートが順調であるように、というざっくりしたお祈りをその時々で行った先の神様にしている。特段そういう主義というわけでもないけど、その場で「今年はこれ!」というものが思い当たらなくて、「ま、1年後に良い年だったなと思えるようにしよう」と根拠なくポジティブに切り替えるきっかけくらいになっている。

今年は会社で年末に書き納めと、年始に書き初めがあったから少し困った。どちらで書いた抱負も、もちろん嘘ではないし真面目に考えたけど、実は寸足らずのような丈の長いような、ちょっと着心地の悪い感じが残っている。

晴れやかな気持ちで、新しく大きな決意を掲げたい気持ちはあるけど、その気持ちに見合う何かを成すには1年では短すぎる気がするし、1年で成せるサイズの目標を立てて、タスク消化をするようにこれからの1年を過ごすのもいまいち気が乗らない。
1年では短いし、5年先の未来は予想がつかない。とすると、3年周期くらいのサイズ感が性に合っているのかも知れない。そう考えると、今年は今の仕事を始めて実質3年目だということに思い当たる。

2013年はスタート。
前年の秋にロフトワークにジョインして、クリエイティブの領域で走り出した年。ただでさえ初めてのことだらけの中、会社としても新しいチャレンジとしてKOIL立ち上げのプロジェクトにどっぷり浸かった。ものすごく大変だったけど、その分アドレナリンも出てたせいか、思い返せば楽しかった。

2014年は山あり谷あり。
これまで発信し続けてきた縁がつながり、3月に開催された 3331 Art Fair の企画に関われたし、4月には無事KOILもオープンさせることができた。年の後半は、力不足もあってなかなか思うように進められずに苦しい場面も多かった印象で終わってしまったけど、今振り返れば、前半は成果が出たおかげで割とスポットライトも当ててもらえたし、夏には結婚もして、充分ハイライトもあった年だった。例年にも増して、すごくあっけなく過ぎ去ったように思えたのは、その分濃い1年だったからかも知れない。

ロフトワーク3年目の2015年は、ひとつの集大成にしたい。
ここまでの2年間は、ある意味意識的にがむしゃらに走ろうと思ってきたし、実際にそうして走り抜けたと思う。それが必要だったと思うし、だからこその今があると思うけど、その分すっ飛ばしてきたこともあるはず。だから今年は、改めて足元を踏み固めて、ちゃんと自分の土台を積み上げたい。何か目に見える結果が出せるに越したことはないけど、ロフトワークのクリエイティブディレクターとして、ひとつここまで来たな、と思いたい。自分でそう納得できるように仕事をしたい。
そして、その外に一歩足を踏み出したい。「クリエイションに評価と対価が巡る仕組みを作りたい」なんて掲げているけど、正直これまでの2年間は何にもできてない。それも駆け抜ける中ですっ飛ばしてきたことのひとつ。もちろん 3331 Art Fair へのコミットはその一歩だとは思っているけど、次の3年で、もっとちゃんとパワーを割いてアクセルを踏んで、個人の高井勇輝として踏み出したその足を広げていけるように、まず今年はどの方向にハンドルを向けるのかを定められればいい。
これから行う結婚式だってある意味自分たちで作れるクリエイティブなプロジェクトだし、敬愛すべき広告キャンプのメンバーともまた一緒にブギーでロックな企みをしたい。多分きっと、そういう中から自ずと見えてくるものがあるんだと思う。

そしてその次の3年は、…まだ予想がつかないけど。
ま、また振り返った時に良かったなと思えるようになっていればいい。

今年もよろしくお願いします。